大和・河内伝統野菜〝瓜(うり)〟、〝まっか(甜瓜)〟〝干瓢(夕顔)〟の事2021.07.19 12:42―瓜は野菜であり、果物であり 夏は、一年草単性花である〝瓜(うり)〟の季節である。「水桶にうなづきあふ瓜茄子(うりなすび)、与謝蕪村」タライの中でプカプカと浮頷き合う瓜と茄子。〝瓜の蔓(つる)に茄子はならぬ〟世間では瓜は平凡で、茄子は偉いと云う...
京・寧楽伝統野菜〝甘長唐万願寺〟・〝紫獅子唐〟の事2021.07.08 03:10―唐辛子(とうがらし)・獅子唐辛子(ししとうがらし)・ピーマン(pimento)と 〝唐辛子〟〝獅子唐辛子〟と書くトウガラシは、中南米原産のナス科トウガラシ属一年草である。唐(トウ)は異国と云う意味で、今や全世界で香辛料として用いられている。野生種もまた多...
大和の苺(イチゴ)と苺スイーツ (奈良大和特産品4)2018.05.14 01:38 いま日本発、苺(イチゴ)と苺を使ったスイーツが訪日外国人や女子・ギャルに大人気である。奈良大和の特産品である苺について記録しておく。 大和のくだもん(果実)特産品として往古より「グロ(畦畔)」で栽培されてきた御所柿・梨が有名である...
いかるが文化圏の食文化3 ケンズイ(間食)2018.03.17 13:04 C.ケンズイ(間食・間水):この言葉自身もう死語に近いが、大和一円では間食のことをケンズイと呼び、今日で言う「茶しょか(茶しばこ)」が間水であったのだ。 トッキョリのおかしん(菓子)として、桃の節句お雛さんには寒に搗いた「かき餅とキリコ(雛あられ)」、春は「よごみ餡つけ餅」があ...
いかるが文化圏の食文化2 副食(おかず)2018.03.17 12:33 B.おかず(副食):四季折々の「炊いたん・焼いたん・茹でたん・蒸したん」のおかずが作られた。共同池や川の恵み・野や里山の恵み・自家菜園での恵みである。他所よりの流通品は、行商や街村商店より購入の恵みもあった。出汁(だし)は、乾物文化の干椎茸・昆布・だしじゃこ(炒り子)・鰹節を削...
いかるが文化圏の食文化1 主食2018.03.17 11:44 A.主食:アイ(褻)の食は、おかいさん(茶粥・おかい)であった。粥に「さん」を付けて恭しく呼ばれたものだ。意外と知られないが、色々なものを中に入れる「つけおかい」である。粥の種類は、麦こばし(大麦のはったい粉)・焼餅醤油・かき餅・キリコ・蒸かし芋・小豆ささげ・空菽(そらまめ)・...
奈良大和の清酒の事 奈良大和特産品32018.03.17 09:54 大和清酒である南都諸白は、中世期〝僧坊酒〟として興福寺大乗院末菩提山正暦寺・興福寺一乗院末中川寺に発した製法は、織豊期には河内天野山金剛寺から京伏見城下や伊丹・池田に、さらに近世樽廻船の発達に合わせ灘五郷(灘・西宮)に伝播し、近代軍隊の勃興と共に安芸西條・全国に広まる流れがあり...
茶粥(おかいさん)の事 奈良大和特産品22018.03.17 09:44 奈良大和で食されてきた〝おかいさん〟茶粥について述べておく。今日懐石風に出される高級感を放つ特産の食べ物の様に受け取られているが、日常的に食されてきたアイの食事である。今日料理に関わる人間が好き勝手な似非事を拡散しているが、ほんまもん(真実)を記録する。 全く知られていないが、...
大和茶の事 奈良大和特産品12018.03.17 09:20 大和茶は伝承では、大同元(806)年弘法大師が唐から茶の種を持ち帰り、弟子が室生寺末宇陀・佛隆寺(宇陀市榛原区赤埴、大師の茶臼伝来・大和茶発祥伝承地石碑建つ)に製法を伝えた(『日本後紀』)のが発祥と言うことになっている。時代は下って茶道開祖の村田珠光は、奈良称名寺の出身でもある...
御所柿(ごせがき) 奈良斑鳩の里新名産品22018.03.11 10:31 大和御所原産の在来の幻柿。「御所柿なくば日本の甘柿なし」と言われる様に本来柿は完全渋(学術名ディオスピーロス・カキ:神から与えられた食物)の完全甘柿の原種柿である。 近世の平瀬徹斎、長谷川光信画『日本山海名所図會』(宝暦4 1754)や人見必大『本朝食鑑』(元禄10 16...