京・寧楽伝統野菜〝甘長唐万願寺〟・〝紫獅子唐〟の事

―唐辛子(とうがらし)・獅子唐辛子(ししとうがらし)・ピーマン(pimento)と

   〝唐辛子〟〝獅子唐辛子〟と書くトウガラシは、中南米原産のナス科トウガラシ属一年草である。唐(トウ)は異国と云う意味で、今や全世界で香辛料として用いられている。野生種もまた多い。そんな中で辛み成分であるカプサイシン(capsaicin)を含まない、ピーマンやパプリカ・獅子唐は甘唐辛子である。15世紀には世界中に広がったと云う

 獅子唐は甘味種であるが、まれにカプサイシンの辛みを有するのは成長環境でストレスを感じた個体なのだそうだ。食べ頃の緑色物は未熟果で採取し、食しているのである。ピーマンは我が国には明治初年亜米利加より伝えられ、イスパニア種などが改良されてきたらしい。

 夏野菜として路地での旬は6~8月で、岐阜県・高知県の生産が盛んである。いずれも生食のサラダ、素焼き・天婦羅・串カツ・肉詰・肉巻や好みの具材との炒め物に最適野菜

 甘長唐辛子の代表は京伝統野菜の「万願寺唐辛子(まんがんじとうがらし)」や「伏見唐辛子」がある。辛くは無く甘味のある唐辛子である。また大和寧楽の伝統野菜唐辛子「紫獅子唐(むらさきししとう)」もある。寧楽農家の在来栽培唐辛子で自家消費用のみに栽培されて来たもので、市場に出回る事は無く秘なる生産を見ていた。茄子の様な紫色の花と黒紫色の果実、辛みはほぼ無い。完熟は真っ赤に色づき甘味が増す。

 通常獅子唐と同じ大きさ同系であるが、茄子の様に黒く見える程濃い紫色だが、日当たり具合で陰は緑色をおびる。加熱すると鮮やかな薄黄緑色に変わる

 堅下一光園大井農場では両伝統野菜共種から苗づくり、生産販売と1P¥100から販売されている。

【freelance鵤書林266 2021/7/5いっこう記】

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