食-特産品による地域創生 奈良大和の食文化を考える

 奈良大和の食文化を語る専門家と称する人達の話を小耳にはさんだり、活字を目にすることがあるが意外と認知されていない、似非事が多いのに驚くばかりの昨今だ。経験と聞き取り・記憶事を4年程前に『特産品による地域創生-食 奈良大和の食文化を考える』39pを拙稿した事があった。宣伝も兼ね紹介しておきたい。

 地域創生は今や我が日本において国策であると同時に、21世紀を生きる我々にとって、眼前の大きな課題である。人・もの・金が国境を越えるグローバル化の時代、少子高齢化(人口高齢比率増と人口減少)・核家族化・細分空洞化する地域、戦後の高度経済成長期から始まった生活文化の変貌する中での今日的激変で何をもって健康で活気ある地域、安全・安心・快適に暮らす地域を構築するかなのである。

 全国で町(街)づくりが叫ばれ、行政側も補助金の名の下で国費を投入した政策がとられてきた。そこには、国家建国以来の危機感(国難)を孕でいる。しかし、地域での「ひと」の不在と「産業」の欠落、地域の歴史性を含んだ「智恵」不足の創生策が多い様に思えてならない。

 「特産品」と言った場合、地場産品・伝統工芸品と加工品を含んだ食品に分けられるが、今回は食品である「食」について取り上げる。近年和食を始めとして、何かと「食」の話題が多くなっている。2013年12月4日の世界無形文化遺産登録「和食:WASHOKU日本人の伝統的な食文化(和食のすべて)」が影響しているのだろうが、「食」が私達の日々の生活や健康に大変密接に関係しているからに他ならない。

 伝統的「食」について情報を正しく理解し、知識として活用し日常の食に生かす事が、健全な暮らしを支えてくれるのだと言える。また、地域の食文化資源は、地域活性化・地域創生の鍵でもある様に思える。日本社会が捨て去ろうとしている価値観の変化の中で、地域の食文化:「奈良大和路食文化遺産」を生かした新しい産物の名産品✤を創造した地域づくりを提案する。コンセプトは、“人のぬくもりを感じ、ほっこり味じまん”である。

「名産品」とは、土地の有名な産物、名物。原料は持ち込まれたものであっても土地で加工したものも含まれる。「特産品」とは、その土地・地域に産する産物、産地を指す。【はしがき より】

 初出典:2015年3月14日 田中一廣『奈良大和の食文化を考える~太子信仰いきづく故郷の伝統的スローフードの名産化~』平成26年度まほろば地域づくり塾卒業論文・特産品による地域創生-食〔私家活字本・斑鳩町立図書館聖徳太子歴史資料室で閲覧可能〕

【freelance鵤書林85 いっこう記】 

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