信貴山毘沙門天〝戒壇めぐり〟再開(いっこう寺社解説25)

―大和の現世利益のお寺3

   信貴山歓喜院朝護孫子寺は現世利益の祈祷寺で知られている。昭和33年再建の舞台造り本堂では、本尊毘沙門天王(秘仏(寅年限定開帳)・中立(毎年限定開帳)・お前立)・吉祥天女(妃)・善戝*師童子(子)前内陣では、10-15毎時一山僧侶により般若心経祈祷が行われている(三塔頭貫主輪番による早朝のお勤めは毎5時頃から・御真言は〝おんべい しらまんだや そわか〟)。

 本堂真下に設けられた〝戒壇めぐり〟が再開された。〝戒壇とは「戒律」:戒しめる場所で心願成就を祈る道場として位置づけ、長さ九間四面三十六間(約60m)暗闇の回廊に成っている。

   右手を壁に添わせながら廻り、2つ目の角を曲がると一つの灯明光が射す。そこの格子内に八体の生まれ干支本尊(子:千手観音・丑寅:虚空蔵菩薩・卯:文殊菩薩・辰巳:普賢菩薩・午:勢至菩薩・未申:大日如来・酉:不動明王・戌亥:阿弥陀如来)が居られる守り本尊に〝身體健全・家内安全〟を祈願する

 次に進んで曲って行くと木の格子に当たる。胸の高さに鐡の錠前が掛かっている。格子内には覚鑁上人が毘沙門天王より得たとする〝金銀財寶が意の如くなる〟と云う「如意寶珠(寶の玉)」が安置されている。願い事を念じこの錠前に触れると如意宝珠に触れたと同じ功徳が与えられると言い伝えられ〝商売繁盛・家内繁栄の御利益が授かるらしい(拝観志料200圓)。

【freelance鵤書林249 2020/6/18いっこう記】

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