法隆寺大工〝安堵長助〟らが施工した本瓦葺重層建物2021.03.11 23:59―生駒山寶山寺創建唯一の威風本堂〝阿遮羅場〟 生駒山寶山寺のご本尊「延宝八年本尊座共堪海作」(二尺五寸)〝木造彩色不動明王座像〟と五使者像を祀る本瓦葺重層護摩堂建物である本堂は、寺創建当初の姿を伝える唯一の建物である。法隆寺大工の安堵長助らにより施工された...
信貴山朝護孫子寺沿革(いっこう寺社解説26)2020.11.02 20:36―大和の現世利益のお寺4・信貴山城の事など 近世後期から近現代の信貴山真言宗の現世利益霊験隆盛とは裏腹に沿革や各時代の状況は、度重なる火災によって記録が乏しくはっきりしない。 文献を探ると『宇治拾遺物語』(1212-21年頃・197...
生駒山寶山寺多寶塔(いっこう寺社解説29)2020.07.21 00:23―大和の現世利益のお寺7・西国愛染明王霊場14番札所 生駒聖天・宝山寺の多宝塔と本尊は平成6年、愛染曼荼羅にちなむ十七ケ寺に加盟し14番札所になっている。佛塔古寺十八尊巡拝15番札所でもある。多宝塔の建つ高台は、開山堪海律師が禅修行の常楽庵を建立した際〝和...
生駒聖天・寶山寺と門前町(いっこう寺社解説28)2020.06.26 10:34―大和の現世利益のお寺6・最古のケーブルカーなど 〝寶山寺堪海〟は験者として世に聞こえ、大和郡山藩に及ばず御所・将軍家の帰依を受け近世後期には聖天(大聖歓喜天)の神威絶大と喧伝され、庶民の霊地となった。その参詣道は、近世から明治期は生駒山を越えて寺に通じる大和側は生駒谷...
生駒聖天・寶山寺(いっこう寺社解説27)2020.06.26 04:01―大和の現世利益のお寺5 庶民信仰のメッカ〝生駒聖天さん〟こと〝寶山寺〟は、真言律宗大本山であり、聖天(大聖歓喜天)の根本道場である。〝本尊不動明王〟を祀る本堂と並んで唐破風のある八棟造の聖天堂拝殿がある。 〝商売繁盛の神〟として絶大なご利益があるとされる...
信貴山毘沙門天〝戒壇めぐり〟再開(いっこう寺社解説25)2020.06.19 10:49―大和の現世利益のお寺3 信貴山歓喜院朝護孫子寺は現世利益の祈祷寺で知られている。昭和33年再建の舞台造り本堂では、本尊毘沙門天王(秘仏(寅年限定開帳)・中立(毎年限定開帳)・お前立)・吉祥天女(妃)・善戝*師童子(子)前内陣では、10-15毎時一山僧侶に...
朝護孫子寺の塔頭大本山寺院(いっこう寺社解説24)2020.06.15 12:52―大和の現世利益のお寺2 信貴山朝護孫子寺へは、近世期から近代には大坂側から京街道教興寺から分岐の〝大坂参道〟と奈良街道柏原市村から分岐の〝大阪堺参道〟、大和側は奈良街道勢野から分岐の〝大和参道〟と當麻街道大田口追分よりの〝大和南参道〟の丁石道が整備されていたが、知る人も皆無にな...
信貴山 朝護孫子寺(いっこう寺社解説23)2020.06.15 12:38―大和の現世利益のお寺1 俗称「信貴山寺、信貴山毘沙門天王、寅の寺」で名が通ている信貴山真言宗総本山(真言宗18本山の一つ)〝朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)〟は、意外と正式名を使う人が少ない。俗世間では〝あさごでら〟などと似非事を云う社会的著名人の発言を聞いた時など呆れてしまう。...
聖徳太子の聖蹟といかるがの里風景散策2020.06.03 22:35400字ミニ解説駒塚・調子丸墳:元来「駒塚」は全長60m程度の古墳時代中期前半(4世紀後半)の二段築成小型前方後円墳。地域の小首長墳墓である(町史跡)。東水田中に存在する「調子丸墳」は、現存径約14m・高さ約2.5mの円墳。普通円筒・器財埴輪を伴う5世紀の中期古墳である。駒塚は『...
法隆寺を支えた宮大工の郷と国宝藤ノ木古墳散策2020.06.03 22:11400字ミニ解説西岡常一:〝最後の法隆寺大工〟で、唯一の斑鳩町名誉町民・文化功労者である。法隆寺村西里大工の嫡男として明治41年出生。鵤番匠の伝統を受け継ぎ幕末から法隆寺に仕えた一つ西岡家の祖父(伊平常吉)に師事し、父と共に宮大工の伝統技術を学ぶ。昭和9年から始まった国家事業・県...
いかるが風景奥の院・安堵92020.05.20 04:31切手になった大和棟・国重文中家住宅―大和中世環濠居館 上窪田・中窪田・下窪田(平楽寺)・北窪田・板東(板ケ屋瀬)垣内の大字窪田は大和盆地の標高最低位に位置する。上窪田垣内の「国指定重要文化財中家住宅」屋敷は、二重の濠に囲まれ外堀の内側は竹藪となり、内堀が鉤手に屋敷を取り巻く。中世...
いかるが風景奥の院・安堵82020.05.20 04:18安堵の一本木と高塚・馬場塚と―飽波(あくなみ)郷名所旧蹟 太子道が西名阪自動車道と交差する処が〝安堵の一本木と高塚〟である。一本木の大木〝栴檀(せんだん)の木〟は昭和28年の台風で倒れてしまって今は無い。根本の南側に大石がある。此の下に〝太子が可愛がっていた鷹を埋めた〟と言い伝え...