松尾寺表参道丁石道―
参拝は法隆寺から
丁石(ちょうせき)とは、名刹寺へ至る道標(みちしるべ)で距離を示す。距離を減ずる場合と増すものがあるが、此処は前者で法隆寺三町・東門の20丁(約2.1㎞)が起点となっている(東大門前に「左松尾道」の道標あり)。
徒歩(かち)が交通手段であった時代は参拝目的寺院に至る行為自体が参拝であって一つ一つ確認しながら巡礼した証である。
松尾寺丁石は近世の古いものが少し残るが大半は後補である。天満坂の天満池堤に18丁石・毛無池の堤に「右松屋寺」の道標から旧道の登り。11丁~3丁石は山道が続く。途中旧三井の妙見道の辻にも道標がある。そして、風神雷神彫刻のある松尾寺総門に至るのである(日本最古最大の丁石道は高野山金剛峯寺である(久度山慈眼院~大門・大門~奥の院大師廟)。大和では多武峰法楽寺(市場一鳥居~大門)・信貴山朝護孫子寺(大和北参道一鳥居~赤門・大坂参道京街道~大門)・生駒宝山寺(壱分~大門)にも丁石道が大規模整備されていた)。
近代に入り大正9年小泉駅開設からの新参道が整備されたのに加え、大半の参拝者は斑鳩バイパスから新々道で北総門下まで自家用車で詣でられる今日である。
【freelance鵤書林232 いっこうJ2記】
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