斑鳩の国地名と難解地名
大和には多くの難解地名が存在する(近年の住所表示改変や信号道路標示の設置で消滅・現代人の都合で改変されたものも少なくない)。また、大和郡山市・三宅町・高取町・桜井市・天理市にも存在するが、斑鳩町内の地名として、全国の国地名をもつ大字も見受けられる地域である。
大字〝阿波と丹後〟である。町中央公民館から体育館一体が字名の残る丹後村である。近代になって法西町となり龍田に吸収され消えたが、丹後村の鎮守は〝菅神社〟で〝安成寺〟(阿弥陀如来と太子掛軸)はその遺構として残っている。
古代において六十余州の国から集団移住した村であるとか、誠密かに語られるが、その様な史・資料は全く見いだせない。中世成立の自然村落が古代に迄遡る例も無い。言える事は畿内の国名は無く、西日本の国名が多いと言う事だ。
斑鳩の難解地名を記しておく。斑鳩(いかるが)・鵤(いかるが)・御諸山(みもろやま)・神岳神社(かごをかじんじゃ)・神南(じんなん)・小吉田(こよしだ)・五百井(いほのい・いおい)・北庄(きたんしょ)・戒下(かいげ)・峨瀬(がぜ)・並松(なんまつ)・西里(にっさと)・東里(ひがっさと)・三町(さんまち)・神屋(かみや)・興留(おきどめ)・幸前(こうぜん)・三井(みい)・飽波(あくなみ)などである。
近年は新住民の発する発音などで、行政で音を変えられた読み方も少なからず見受けられるのは全国的傾向だ。日本語の場合漢字の意味と言うよりも「音オン」が大事なのである。
【freelance鵤書林209 いっこうE1記】
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