斑鳩溜池―
水不足大和の近代的溜池
高山のくろんど溜池・香芝の旗尾池・櫻井の倉橋溜池・天理の白川ダム池と並んで大和を代表する近代的溜池(県下4位の貯水)。それらより20年も先駆けて昭和22年の完成したのが「斑鳩溜池」である。
治水・農業・教育事業に尽力した、前後七期衆議院議員福井甚三郎(明治7年興留生まれ・大阪高麗橋にて漆器商を営み北濱の成功者として目された。正五位勲三等、昭和20年1月18日逝去)が推進した(堰堤橋は甚三橋と命名。興留新池西南隅に昭和25年建立の公徳碑がある)。池は、明正13(1636)年構築の五ケ村(三井・幸前・東福寺・阿波・興留)池と泥池などの古池を合体して昭和15年着工、堰堤220m・高さ11mで水路は秋葉川となっている。
溜池湖畔の櫻花や果樹畑をも望む〝のんびり斑鳩〟を味わうことが出来る。平成22年には農林水産省より「日本溜池百選」指定を受けた。法隆寺国際高校ボート部の練習グランドでもある。
ちなみに吉野大淀の山地をぶち抜いて吉野川の水を大和盆地に引水する、大和千年の悲願東部西部幹線水路の〝吉野川分水〟の通水施工は、昭和49年で大和国中は完全に水不足から脱したが、その後の急落農業の衰退は皮肉なことだ。
【freelance鵤書林227 いっこうH4記】
0コメント