しんこ餅は、いかるが文化圏(西大和~中・南河内北部)に広く見られる、晴事や法事の印・茶の子餅。米粉8:1餅粉の捻り団子である。近代になって特製鉄の捩り型が普及した様で各家庭にあった。
食紅で祝事「赤」・仏事「黄」の印を付けている。太子信仰エリアに広がりあり、「しんこ捻りのおまっつあん」と言う大層上手な婆さんがいたそうな。太子会式の供物大山立の米粉蒸し水仙・梅造花餅がルーツであろうと考える。そのままでも食すが餅網で軽く焼いて砂糖醤油で食すと美味しい。
てんごく餅も西大和地域にみられた厄歳祝のうす餡付けの幻の塩餅。「天御供」と記すのであろう。そのまま食すと一種変わった餅の美味であった。
二月の初午の日祝日には村人全員を招待し振る舞って厄を落とす。食事後は、厄除け霊場松尾寺に詣でたそうな。伊勢講の餅も丸餅で薄餡塩餅(餅はお蔭参りに関係するかも?)。何故か61歳の厄払いは、白餅や餡付け餅であったそうな。
(拙稿『奈良大和の食文化を考える』から)
【freelance鵤書林110 いっこう記】
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