行者餅(ぎょうじゃもち) 奈良斑鳩の里新名産品3

 

 役行者(エンノギョウジャ[尊称]・役小角エンノオズヌ)にちなんだ餅

 役小角(傳634~701)は、飛鳥時代に活躍実在した山岳修行呪術者の伝説的人物。三輪氏に属する地祇系氏族の賀茂氏出身とし、金剛蔵王大権現を感得修験道(雑密)の開祖とされ、優婆塞(ウバソク:僧でない在家信者)であった。

 南葛城・御所市茅原(大和国葛城上評茅原邑:後に吉祥草寺創建)れとされ、いかるが・生駒元山上の修行中法力で鬼神を使役し薪割り・水汲みをさせたと言う『続記』。

 中世後期以降の信仰の広がりによって、岩座に座り脛を露出させ、頭巾を被り錫杖と経巻を持った一本下駄の老人姿で表され、斧を持つ前鬼水瓶を持つ後鬼を従える(諡号「南無神変(じんべん)大菩薩」大和俗称「さんじょうさん」)。葛木山(現金剛山・大和葛城山)に住し、吉野金峰山大峯熊野で修行、神佛調和の多くの聖地を開いたとされる。

 呪術で葛城山と金剛山に石橋を架ける計画に諸国の神々も動員したり、孔雀王呪法で仙人となり天に飛ぶ縁を得、夜は富士山へ行って修行したとも言う『日本霊異記』。坪内逍遥(つぼうちしょうよう・1859~1935)の戯曲「役の行者」(大正6年)が有名。往古より蓬は邪気を退け万能薬効効果があり、餅は目出度い力がつく食とされ、焼印を押したこの特製餡餅を食せば行者のスーパーマン力を得る事間違いなし。〔鵤書林2015謹製〕

【freelance鵤書林88 いっこう記】

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