国家が編纂した正式な歴史書を「正史」という。現在、昭和天皇時代の正史『昭和天皇実録』(本文60巻)が編纂(平成2~26年)が終了し順次刊行中(東京書籍(株)全18冊・索引1冊)であるが、古代の6つの書物が「六国史」である。一方私が編纂したものを「稗史(はいし・私史)」と言う。
六国史とは奈良・平安期の朝廷で編纂された、1『日本書紀』・2『続日本紀』・3『日本後記』・4『続日本後記』・5『日本文徳天皇実録』・6『日本三代実録』を指す。
1『紀』は、神代から持統帝までの系図1巻と30巻から成り、養老4(720)年完成、舎人親王篇。
2『続紀』は、文武帝から桓武帝までを扱う40巻から成り、延暦16(797)年完成、藤原継縄・菅野真道ら篇。
3『後紀』は、桓武帝から淳和帝までを40巻(現存10巻)から成り、承和7(840)年完成、藤原冬嗣・藤原緒嗣ら篇。
4『続後紀』は仁明帝の一代記で20巻から成り、貞観11(869)年完成、藤原良房・春澄善縄ら篇。
5『文徳実録』は、文徳帝の10巻から成り、元慶3(879)年完成、藤原基経・菅原是善篇。
6『三代実録』は清和・陽成・光孝帝の全50巻から成り、延喜1(901)年完成、藤原時平・菅原道真ら篇である。
また、誤解してはならない『古事記(ふることふみ)』は『記』と略記し、太安万侶篇で全3巻から成り、天武帝勅で誦習(しょうしゅう)した『帝紀』及び先代の『旧辞』(現存せず)を元明帝勅により撰録して和銅5(712)年献上とされる、現存最古の説話・文学書、歴史書であると言う事を認識すべきだろう。
【freelance鵤書林75 いっこう記】
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