法隆寺を支えた宮大工の郷と国宝藤ノ木古墳5

西里春日古墳―

最近話題の古墳

 法隆寺大工鑑札を預かった安田家の春日社と称する屋敷神を南面に祀る塚である。径30m・高さ6mの円墳と考えられ、藤ノ木古墳の立地する寺山より延びる小丘と谷を隔てる東の小丘の西に位置する。

 藤ノ木古墳と近しい関係にある6世紀後半~7世紀初めの古墳として注目される。大形閃緑花崗岩が見え横穴式石室が想定されているが、近年(平成29年)県と町が組織した「春日古墳調査検討委員会」が実施した宇宙放射線素粒子(ミューオン)*を利用解析した内部を透視する投影図を平成30年2月公開し、我が国初の試み古墳となった。

 結果によると墳丘中心部に奥行き6.1m前後の土が薄い部分があり、高さ約2m・幅約1.8mの空洞が想定されると言う。近いうちに発掘調査の鍬が入るかもしれないが、予算上や政治の関係でもう少し先になりそうだ。

 *ミュー粒子:物質を構成する最小単位である素粒子の一つ。宇宙から絶えず地上に降り注ぎ物を通り抜ける性質を持つ。物質が少ない低密度の場所はミュー粒子が通過しやすく、物質が多い場所よりも検出される数が増え、観測対象の内部構造がわかると云う。名古屋大學はエジプトクフ王のピラミッド内部の巨大な空間を確認している。令和2年1月から4月にかけて桜井市箸墓古墳(3世紀中頃~後半・全長約280m)で本格的に実施された。

【freelance鵤書林194 いっこうA5記】

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