聖徳太子の聖蹟といかるがの里風景8

国史跡三井の赤染井―

飛鳥期の井戸現存

 大字三井(みい)は太子が斑鳩に居を移した際、三つの井戸を掘った地と言う。三つの井戸とは、〝東井・前栽井・赤染井〟である。寺から50m北西の井戸は「赤染井」(御井みい)と呼ばれ、元法輪寺境内地にあたる。昭和7年掘削調査されて覆屋に井戸枠を組んで再生、国史跡に指定されている。石囲み井筒の径1.1mの上は0.8mの野面積みとし、上部3.0mの井側は厚さ7.6㎝・幅25.8×22.7の台形の塼を約700枚使用して40段ほど小口積みに重ねている。径1.45mの中膨らみの円弧を成して円筒状に仕上げる、深さ4.4mを計る創建時の井戸。水道が普及するまで、村の共同井戸にもなっていたらしい。

 また、集落内にある十三所明神社(小宮さん)は、法輪寺の160m四方を占めた元境内の鎮守でもある。大字三井の鎮守は三井神社(大宮さん)で、須佐之男(素戔嗚)を祀る牛頭天王社。境内末社には春日社がある。天保10年狛犬、安政6・文久1年銘石灯籠を認める。

 隣接する「仮宿庵(けしゅくあん)」は、法隆寺北室院末寺で極楽寺奥の院なのだと云う。現在は堂一つある浄土宗の尼寺で入口に水子地蔵尊を祀る。本尊は阿弥陀如来坐像で創建は享保2(1717)。

【freelance鵤書林166 いっこうC8記】

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