まほろば僧の餢飳菓子としたのは、佐伯定胤猊下(近代法隆寺中興)嗜好幻の菓子である。
樋口清之博士1966『奈良の旅』によると、「西大和路-法隆寺-客殿で-管長佐伯定胤老師としばらく話した思い出-そのとき、茶菓子として塩味のあんを米粉で袋状につつみ、油で揚げたものであった。奈良時代以来の唐菓子の一種が、この寺にはまだ生きているのにおどろいた。老師に食べかたを教わったが、器に入れ、上から熱湯をそそいでやわらかくして食べるとよいとのことであった。」と記載がある。
法隆寺のレンゾの会式御供大山立にも胡麻油で揚げ、干柿で甘味を加えた唐菓子もあるので関連するドーナツ様の餢飳菓子であったろうと推測。復原が待たれる。
【freelance鵤書林119 いっこう記】
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