名物饅頭 業平道:貴公子在原業平縁饅頭・二ツ杁¥300。《栞》〔業平道は、平安時代の『伊勢物語』で有名な在原業平中将が、天理市櫟本の里から河内高安の里の恋人のもとに通った“情熱業平恋の通い道”である。「風吹けば沖つ白波たった山 夜半にや君がひとり越ゆらん」の歌とそれにまつわる物語にちなんだ銘菓。
業平は、桓武帝の孫を父母にもつ貴公子で、世阿弥の仕立てた謡曲『井筒』が趣を一層深め、沿道の村々に伝説も数多い。縁の深い斑鳩町高安では村名も改め、村娘が見染されては大変と座衆祭には顔に煤を塗る風習もあったそうな。沿道には、東に窓を設けてはならぬとか、姿見の井戸・橋など縁名所がある。
櫟本の在原社辺りに住んでいた幼い頃の美男業平と幼馴染の娘はやがて夫婦となった。だが男は河内高安に恋人をつくり通い続ける。ある日男が高安の女家の東窓から覗くと、何と女が杓文字持って自ら飯を盛り舐めていた。その下世話姿に幻滅し、遂に通うのを辞めたという筋書きである。そんな夫の身を案じて詠んだのが先歌で、夫もその真心に打たれたのであった。〕freelance鵤書林2014謹製
(freelance鵤書林90 いっこう記)
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