平成30戊戌年・西暦2018年・皇紀2678年 明治御一新(ごいっしん)~江戸から明治へ“明治維新150年記念”~

 平成30(2018)年は、近代日本の幕開けとなった慶応4(1868)年の明治の“御一新”から150年(“明治維新”と呼ばれるのは廃藩置県を経て市町村制が始まった明治22年以後定着)。大河ドラマでは、維新の立役者の一人で根づ良い人気の「西郷隆盛」を主人公とした「西郷(せご)どん」が放映されている。

 都であった南京の奈良商都大坂(おおざか・大阪(おおさか)に改名は明治になってから)では、吉田松陰に薫陶を受けた長州藩士が闊歩し、土佐の坂本龍馬が奔走し、薩摩の西郷隆盛や大久保利通が倒幕の密談を交わし、幕臣の勝海舟が遠く海の向こうに夢を馳せ、御所では孝明天皇が国の未来を思う中、「明治御一新」という日本史上最も大きな転換期が訪れる。徳川幕府の政権返上「大政奉還」後もなお「鳥羽・伏見の戦い」に始まり「戊辰戦争」の戦禍を経て、東京への奠都という大きな節目を迎えた日本から今、150年

 南京奈良・大和で孝明帝大和行幸を御一新の起爆とすべく夢見た、中山忠光卿・吉村寅太郎に率いられた文久3(1863)年「大和天誅(忠)組の乱」が起っている。天領の五條代官所襲撃・譜代植山藩高取城攻撃するが政変一変にして幕府の鎮圧を見るも、この行為を単なる反乱では無く“維新の先駆け”と美称される(“維新の先駆け”キャンペーンは明治百年記念に五條市の町起こしから始まってすでに50年)。土佐・鳥取・久留米・熊本・刈谷など脱藩志士・十津川郷士に加え国学者詩歌聖人伴林光平(ともばやしみつひら・1847~1881)に薫陶を受けた大和・河内の国を憂う青年門弟(下級武士にとどまらず豪農・商の庶民)が駆け付け参陣した事も特徴であろう。

 民主科学的歴史観に基づいて歴史的史・資料を読み解き、史実を語り受け継ぎ、新たな21世紀国難の現代社会に生かしてこそ記念年の意義があるのであろう。

【freelance鵤書林11 いっこう記】

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