奈良大和路には、日本国六十余州(68)の国名を記す垣内(かいと):大字(旧自然村落)がある。その意味は、色々語られることが多い。例えば古代に於いてその国から集団移住(自発的・強制的)した村々であるとか。その様な史・資料は全く見いだせず、中世成立の自然村落が古代に迄遡る例は無い。ただ実態は不明ながら少なからず存在しており、言えることは、畿内の国名は無く西日本の国名が多い事で、文化の中心地との交易・交流の結果とも考えられる。
阿波・丹後(以上現斑鳩町)、伊豆七条・丹後庄・美濃庄(以上現大和郡山市)、石見・上但馬・但馬・三河(以上現三宅町)、上土佐・下土佐・吉備・薩摩(以上現高取町)、上飛騨・飛騨(以上現橿原市)、出雲・吉備(以上現櫻井市)、上総・備前・武蔵・丹波市(以上現天理市)などである。
【freelance鵤書林141 いっこう記】
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