最近社寺祭典に参列して思うことは、スマホやカメラをかざし低頭おろか脱帽もしない日本人が増えた。若者では無しに70・60代の段階世代に目立つ。文化のみならず習俗・習慣・精神が伝承されていない事につくづく感じずにはおられない。ほんまもんの参加をする為に簡単に豆知識を記しておく。
㈠参集の後、手水(ちょうず)の儀。
宮司祭主・祭員・参列者の順で手水に進む。右手で汋柄を取り、水をすくって左手にかける。左手に持ち替えて右手に水をかける。また右手に持ち、左手に水を受けてその水で口をすすぐ。再度左手に受けて左手を洗う。最後に柄汋を立てて、柄を洗って元の位置に置く。介添えがある場合は、手を洗いと口をすすぐ。散紙が用意されている場合はそれを使う。ない場合は自分の手拭で拭う事。
㈡修祓(しゅばつ)の儀。
祭典に先立って、神饌や玉串等の祭具・奉仕する祭員・参列者の浄め祓い。祓言葉奏上の間・大麻(おおぬさ)でお祓いの際は低頭の事。
㈢宮司一拝。
祭典開始の挨拶。祭員・参列者共宮司祭主に合わせて一拝する。
㈣開扉の儀。
本殿の御扉を鍵を開けて開く。宮司祭主か祭員が開ける間「ホォウー」と警蹕(けいひつ)が発せられる。神おろしでは無く、神様が自らお出ましになる事を伝える蹕(さきばらい)である(小祭などは省略される場合もあるが、耳を澄ませ皆低頭)。
㈤献饌の儀。
いわゆる神饌(生もの・熟饌)を供する。奈良大和の場合多くは、古式ゆかしき息がかからぬ様に口に榊葉を咥え堅く口を結び、御手繰りによって一献づつ里物・山物・海物・川池物・酒・水・塩・洗米の献饌が厳かに行われる場合が多い(小祭などは簡素化省略され瓶の蓋を取るだけの場合もある・祭主の考え方次第)。
㈥祝詞(のりと)奏上。
宮司祭主が、目出度い神を称える祝詞を奏上する(最近はオリジナルは少なくなった。祭主の考え方次第)。この間全員拝礼、拍手は宮司祭主のみ。奏上の間は耳を澄ませ低頭の事。
㈦玉串奉奠(たまぐしほうてん)の儀。
宮司祭主に続き参列の方々に順次玉串(榊に紙垂)を賜り、時計周りに回して根元を持って祈念を込めて神前に向けて奉る。二礼二拍手一礼の作法で拝礼。
㈧撤饌の儀。
神饌を徹する。献饌の逆行程で行う(略式の場合は酒瓶・水まりの蓋を被せる)。
㈨閉扉の儀。
本殿の扉を閉ざす。この時も宮司か祭員が閉める間「ホォウー」と警蹕(けいひつ)が発せられる。
㈩宮司一拝。
祭典終了の挨拶。参列者全員宮司祭主に合わせ深く一拝する。
直会(なおらい)。
直会は祭典最後の儀礼である。神様にお供えした神饌のお下がりを頂く。神と人が共に同じ食物・酒・水・塩を共有(神人供食)の儀式。いわゆる日本人の宴の會である。
終了後、内・外に神のご加護を頂いて帰宅家路に向かうのである。(以上)
【freelance鵤書林132 いっこう記】
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