神社祭典次第と所作 (南京観光豆知識13)

 最近社寺祭典に参列して思うことは、スマホやカメラをかざし低頭おろか脱帽もしない日本人が増えた。若者では無しに70・60代の段階世代に目立つ。文化のみならず習俗・習慣・精神が伝承されていない事につくづく感じずにはおられない。ほんまもんの参加をする為に簡単に豆知識を記しておく。

 ㈠参集の後、手水(ちょうず)の儀

宮司祭主・祭員・参列者の順で手水に進む。右手で汋柄を取り、水をすくって左手にかける。左手に持ち替えて右手に水をかける。また右手に持ち、左手に水を受けてその水で口をすすぐ。再度左手に受けて左手を洗う。最後に柄汋を立てて、柄を洗って元の位置に置く。介添えがある場合は、手を洗いと口をすすぐ。散紙が用意されている場合はそれを使う。ない場合は自分の手拭で拭う事。

 ㈡修祓(しゅばつ)の儀

祭典に先立って、神饌や玉串等の祭具・奉仕する祭員・参列者の浄め祓い祓言葉奏上の間・大麻(おおぬさ)でお祓いの際は低頭の事。

 ㈢宮司一拝

祭典開始の挨拶。祭員・参列者共宮司祭主に合わせて一拝する。

 ㈣開扉の儀

本殿の御扉を鍵を開けて開く。宮司祭主か祭員が開ける間「ホォウー」と警蹕(けいひつ)が発せられる。神おろしでは無く、神様が自らお出ましになる事を伝える蹕(さきばらい)である(小祭などは省略される場合もあるが、耳を澄ませ皆低頭)。

 ㈤献饌の儀

いわゆる神饌(生もの・熟饌)を供する。奈良大和の場合多くは、古式ゆかしき息がかからぬ様に口に榊葉を咥え堅く口を結び御手繰りによって一献づつ里物・山物・海物・川池物・酒・水・塩・洗米の献饌が厳かに行われる場合が多い(小祭などは簡素化省略され瓶の蓋を取るだけの場合もある・祭主の考え方次第)。

 ㈥祝詞(のりと)奏上

宮司祭主が、目出度い神を称える祝詞を奏上する(最近はオリジナルは少なくなった。祭主の考え方次第)。この間全員拝礼拍手は宮司祭主のみ。奏上の間は耳を澄ませ低頭の事。

 ㈦玉串奉奠(たまぐしほうてん)の儀

宮司祭主に続き参列の方々に順次玉串(榊に紙垂)を賜り時計周りに回して根元を持って祈念を込めて神前に向けて奉る二礼二拍手一礼の作法で拝礼。

 ㈧撤饌の儀

神饌を徹する。献饌の逆行程で行う(略式の場合は酒瓶・水まりの蓋を被せる)。

 ㈨閉扉の儀

本殿の扉を閉ざす。この時も宮司か祭員が閉める間「ホォウー」と警蹕(けいひつ)が発せられる

 ㈩宮司一拝

祭典終了の挨拶。参列者全員宮司祭主に合わせ深く一拝する。

 直会(なおらい)

直会は祭典最後の儀礼である。神様にお供えした神饌のお下がりを頂く。神と人が共に同じ食物・酒・水・塩を共有(神人供食)の儀式。いわゆる日本人の宴の會である。

終了後、内・外に神のご加護を頂いて帰宅家路に向かうのである。(以上)

【freelance鵤書林132 いっこう記】

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